Open Day
2023.8.19-8.20 photo : Id108
Id108 /イドイチマルハチのオープンを記念し、様々な展示やコンテンツを携えた開放日。
2日間で70名を超える来場者となり、この場所に対する期待感を伺わせるスタートとなった展示を振り返る。 この場所のバックストーリーとこれから生まれてゆく物を伝えるべく、Id108のコンセプトに加え、入居する2組のクリエイター「キンミライガッキ現代支部」と、「Garmentekhne」の活動を紹介するという目的で、初の展示企画が催された。
flyer design: Garmentekhne
フライヤーはGarmentekhneが制作。3dビジュアルプログラミング・Grasshopperにより描画された無数の正方形は、地下に進むにつれて高揚感が高まる様が表現されている。 OPEN DAY ver. のカラーは昼を表現する白に、キンミライガッキを象徴するオレンジとGarmentekhneを象徴するモノカラーが入り交じったものとなった。 これはまさに、Id108に入居する2人のアーティストが互いに知識や情報を共有し生まれたアイデアが、クリエイティブ・ベースメントに伝播する様を形容しているといえるだろう。
photo : Yuki Nasuno
道路に突如現れたシャッターをくぐり、サインボードを辿って進むと銀色の鉄扉が開かれていた。素っ気なく置かれたブラウン管テレビにId108のアニメーションがループし続けている。オーナー工場の物置部屋と化していた空間は、新たな物を産み出す工場として再誕した。
photo : Yuki Nasuno
入り口入ってすぐの天井を見上げると、目と口を動かしてしゃべるメカニカルな仮面。キンミライガッキの "被れる" 代表「C.E.O.」だ。新たにChatGPTを搭載し、会話もできる存在としてアップデート。外連味溢れる横柄な発言で来場者をもてなした。
photo : Yuki Nasuno
1Fでは、Id108 /イドイチマルハチ、キンミライガッキ現代支部、Garmentekhneそれぞれのコンセプトを紹介するキャプション・作品展示が行われた。
photo : Yuki Nasuno
キンミライガッキ現代支部はこれまでの活動と事業内容を実例と共に展示。楽器製作を通してやっていることを4つのテーマ「つくる・みせる・ひろめる・つたえる」に沿って紹介した。実際にガッキ製品を演奏して体験できるコーナーもあった。
photo : Yuki Nasuno
画像中央は陶磁器の金絵付けをセンサー化し、電子楽器化するプロダクト「DEN-JIKI」。2019 ADAAエンターテインメント(産業応用)部門 優秀賞を受賞した他、知財技術としてピックアップされるなど、楽器だけに留まらない社会応用を目指すプロジェクト。
photo : Yuki Nasuno
Garmentekhneは、設計プロダクトの模型に加え、当時立ち上げ中であった建築系webメディア「Curoate」のコンセプトや、grasshopperを用いたデザイン・設計プロセスの紹介など、多岐に渡る活動分野を包括する展示内容。これまでの活動を振り返り、これからの展望をも示す展示となった。
photo : Yuki Nasuno
家具デザインの模型展示。Id108 1Fファクトリーにおいても実寸にて製作され、クライアントに納品された。このテーブル”Commercial Table #001”の特徴は六角形を隙間なく敷き詰めたハニカム構造(ハチの巣の形態)を元にデザインされた脚。Garmentekhneの得意とする数学の理論を用いた設計により、納品先の既存家具とのデザイン的調和と構造的強度を両立させたプロダクト。
photo :Id108 editted
熱気溢れる会場内。1Fでは、大判キャプションに加え、プロダクトや模型を中心とした展示だったが、B1Fでは、より実験的な展示が行われた。地上と地下の行き来にはスタッフによる安全管理の元、鉄梯子を使いアクセス。
photo : Yuki Nasuno
鉄梯子を慎重に降りると、地下には地上と同じ広さの空間が広がる。
都内ではあまり例を見ないundergroundな佇まいをそのままに残している。 photo : Yuki Nasuno
中心では、キンミライガッキの自律生命楽器群「Compose Cell」が、有機的に非人間的な音楽を生成している。
地下特有の残響の深さもあって、洞窟内の響きのような独特の音が鳴り響く。 photo : Yuki Nasuno
残置されていた鉄網棚を再利用したDJブース。
ターンテープルを始めとした各種機材に加え、キンミライガッキの自動演奏楽器達も設置されている。 photo : Yuki Nasuno
DJブース脇にはプロジェクションによる映像展示。
両クリエイターそれぞれがここで出会うまでに行ってきた活動をじっくりと眺めることができた。 photo : Yuki Nasuno
text log : Gakki3
flyer design: Garmentekhne
photo: Yuki Nasuno, Id108 |